リストア 鏡筒

 鏡筒部分のリストアは鏡筒本体、主鏡と斜鏡関連、ファインダー、接眼部となるが、一番の問題は腐食(黴)した主鏡をどうするかだ。 まずは西村製作所に再メッキについて問い合わせると、再メッキ依頼が何件かまとまった時に作業するので納期は未定とのこと。 これではらちが明かないのでネットで調べると、幾つかの会社が再メッキ対応してくれるようだ。 各社で見積もり依頼して最終的に決めたのがセルドレンという会社。 ただし、再メッキしても黴による曇りはわずかに出てくるらしい。
 念のため主鏡と斜鏡の新品価格を調べてみると、台湾で製作しているものだと再メッキの半額で入手できることが分かった。 ただ、かつて憧れた西村の望遠鏡だ・・・・別に天体観測って程のことは考えていない、観測というより観望できれば良い程度であることを考えると、ここは西村製作所に敬意を表して再メッキでいくことにする。 そんな訳で、主鏡と斜鏡の再メッキをセルドレンに発送し、その間にほかの部分をリストアすることに決定。
 まずは鏡筒からすべての部品を取り外してから以下の作業を行った。

鏡筒本体
 まずは鏡筒内外の錆を錆取布で落とすが、もともとの塗装を剥がすのは大変なのでこれは残しておく。
その後、表面をシンナーで拭いて汚れや油気を除去。 鏡筒内の作業は鏡筒両端から腕を差し込んで行うが、この焦点距離がこの作業のできる限界というところか。
 その後、鏡筒内部を塗装するが、ここはちょっと奮発して光学機器用の艶消し黒ペイントをネットで購入した。
刷毛を持って鏡筒に腕を差し込んで奥から塗っていく。 
外側は手持ちの水性ペイント(我が家の外壁補修用にストックしてあるもの)をやはり刷毛塗りした後、クリアラッカー(これはスプレー式)を3度塗りして終了。
   
 フラッシュ光で明るく映っている  実際の鏡筒内の色 鏡筒と主鏡セル部分 
主鏡、セル及び主鏡押さえ
 セルの白く腐食した部分やはがれた塗装をサンドペーパーで剥がし、鏡筒内に収まる部分は光学用塗料、外部は水性の黒を塗る。 主鏡裏に敷く紙は適当な用紙を切って作成。
   
 再メッキ後の斜鏡と主鏡 セルと当紙  鏡筒蓋(裏側)と主鏡押さえ 
接眼部
 取外して分解掃除後、ラックピニオン部に少しだけテフロンオイルを塗布。 接眼筒内面に光学用塗料を塗布。
アイピースも分解してすべてのレンズをクリーニング。
 
再塗装した接眼筒内面  再塗装後の接眼筒  アイピースの分解掃除
ファインダー
 ファインダー本体の再塗装は行わず固定脚のみ再塗装し、レンズのクリーニングと十字線の張替えを行った。
十字線は電線(IV線)をばらして瞬間接着剤で固定。 
 IV線を使って十字線を再生  再生後  ファインダー本体は現状維持

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